「どうしてです? 恥じらうあなたも大変可愛いですよ」
「わ、わたくしたちはまだ婚約もしていないはずですが……!?」
「ふむ。確かにそうですね。本格的に口説くのは婚約してからにしましょうか」
紺碧の双眸に見つめられ、視線がそらせない。
心臓が脈打つ。芽吹いたばかりの恋心はきっと大きくなる。
もう後戻りはできない、そんな予感がした。
◆◆◆
そして、運命の日がやって来た。
二度目の断罪は前回と同じく、社交界シーズンの始まりに行われる王族主催の舞踏会だった。
「稀代の悪女、ルーリエ・カールストン! 俺はこの場をもって貴様との婚約を破棄し、ボーデン子爵家令嬢のヘレンを伴侶とすることを誓う」
婚約者ではない令嬢を横に侍らせたまま、ヨハニスは勝ち誇った顔でルーリエを侮辱した。彼の腕に甘えるようにくっつくヘレンも嫌らしい笑みを浮かべている。これではどちらが悪女かわからない。
「わ、わたくしたちはまだ婚約もしていないはずですが……!?」
「ふむ。確かにそうですね。本格的に口説くのは婚約してからにしましょうか」
紺碧の双眸に見つめられ、視線がそらせない。
心臓が脈打つ。芽吹いたばかりの恋心はきっと大きくなる。
もう後戻りはできない、そんな予感がした。
◆◆◆
そして、運命の日がやって来た。
二度目の断罪は前回と同じく、社交界シーズンの始まりに行われる王族主催の舞踏会だった。
「稀代の悪女、ルーリエ・カールストン! 俺はこの場をもって貴様との婚約を破棄し、ボーデン子爵家令嬢のヘレンを伴侶とすることを誓う」
婚約者ではない令嬢を横に侍らせたまま、ヨハニスは勝ち誇った顔でルーリエを侮辱した。彼の腕に甘えるようにくっつくヘレンも嫌らしい笑みを浮かべている。これではどちらが悪女かわからない。



