巫女さんがいる、お守りの販売コーナー。

そこに並ぶ色とりどりのお守りは、確かによくある和風の物ではなくて可愛らしいアクセサリーにも近いような、おしゃれなデザインのものが多かった。


「え、これ超可愛くない?」

「んー?」


指を差されたお守りを見に近くへと寄る。

そのお守りを目にした途端、私の胸はギュッと掴まれたように苦しくなった。


ギュッと喉の奥が詰まって、熱いものが流れそうになる。


私は目を閉じて、一歩下がる。そして、震える息を吐き出した。


「…ホントだね。おしゃれ!」


少し反応に遅れたことは、そんなに気にもならなかったようで、亜由はそのチャームを見つめる。


「これ、何のお守りですか?」

「これは、病気平癒ですね。お見舞いなどの際におすすめです。」


綺麗な巫女さんの説明に、また、私の心はギュッと掴まれる。


「あー…そうなんだ…」

「どんなお守りをお探しですか?」

「恋愛成就です」


即答した亜由に、巫女さんは微笑ましそうに笑い、その様子を見て、私も少し気持ちが落ち着いた。


「恋愛成就、私も買おうかな」

「えっ!ついに!?え、買おう買おう!!」


何だか私よりも嬉しそうな亜由に和まされ、私はほっと息を付いた。