私はその女の子につい見とれてしまった。



色白の透き通るような肌はニキビなんて一生縁がなさそう。
目は大きな二重で少し垂れていて、嫌味がない。
小さくて鼻筋の通った鼻に、少しだけ小さく赤い唇。

肩より少し長い茶色っぽいサラサラの髪の毛に、身長は155センチくらいかな?
細いけど細すぎない体形……。

私は容姿には無頓着だけど、こんな奇麗な子は見た事がない。

テレビでたまに見る芸能人だって、この子には敵わないだろう。

お互い目を合わせたまま、少し時間が経つと女の子は口を開いた。


「…福原真雪です」

「あっ、はい…」


こんな奇麗な子が何だろう…?

真雪は私の顔をジッと見て、私は真雪に吸い込まれるように見続ける。


「…アリスさん?」

「はい…」

「今日から宜しくお願いします」


何で私の名前を知ってるんだろう?
それに『今日から宜しくお願いします』?
私は急いで母親の所に行き、母親に言った。


「…お母さん、知らない女の子が来てる。今日から宜しくお願いしますって言ってる」


私がそう言うと、母親は頭をグシャグシャに搔きむしって、低い声で言った。


「……上がって貰いなさい」