……友達?

その言葉を聞いた瞬間、顔が緩む。

私は少しだけ大きな声を出して、笑顔で答えた。


「あ…うん。分かった。放課後までにプリントを集めて、職員室に持って行けばいい?」

「そう。じゃあ、お願いね」

「うん」


立花はそう言って席に戻り、私は嬉しくて、両手で頬杖を付き前を向く。

嬉しい。

友達だって。

友達だって言われた。

ヨシやトモが居なくても、大丈夫なんだ。

私は溢れそうになる笑顔を必死に抑えて思う。


私は一人じゃないんだ


そしてプリントを集め、放課後になった。


「じゃあ、川野さんお願いねー」

「うん」


教室を出ようとした時、トモの声が聞こえて来た。


「アリスさー、利用されてねー?」


私はその言葉を聞いて、足が止まる。

利用されてる…って?


「何でアリスがプリント集めてんだよ?」



何で?って


決まってる。


「友達だから」