あの子と私

「アリス!今日はどうする?」


余韻を搔き消すようなヨシの声に、振り返って答えた。


「ごめん…。最近お母さんが心配してるから、帰って勉強する」

「何だ。つまんないな」

「アリスが俺らのせいで成績落ちたらどうするんだよ?」

「そうだけどさぁ」


ヨシのガッカリする声とは反対に、優しい声でトモが言った。


「じゃ、俺ら帰るけどいつでも連絡して来いよ」


「…うん。バイバイ」


ヨシとトモを見送ると、机の中からピンクの眼鏡を取り出し、鞄の中に入れる。

この眼鏡もいつか堂々と掛けれるようになるといいな……。


まだもう少しかかりそうだけど


そして黒縁の眼鏡を掛けると、家へと帰る。


「ただいま」

「お帰りなさい。今日は早かったのね。お父さんも今日は早く帰るみたいだから、ご馳走にするわね」

「うん。私、勉強するね」

「そう。頑張りなさい」


母親の声に頷き、私は部屋へと向かう。

そして部屋に入ると、鞄の中から眼鏡を取り出し、机の引き出しの中に入れると、勉強を始めた。


今日は気分がいいから勉強がはかどる。

あっという間に時間が経ち、父親が帰って来た。