Side東雲 雅
ずっと、ずっと夢の中にいる気がする。
身を投げ出してから、何かを追いかけて走ってる。
自分が何を追いかけているのかは分からない。
でも、私の足は止まらない。
「まってっ!行かないでっ!」
私じゃないみたいな私が叫ぶ。
その途端、プツンと糸が切れたみたいに。
私は追いかけるのをやめた。
何か絶望のそうなものを感じる。
私はそっぽを向かれたんだ。と実感する。
なにに?
わかんない。
後ろで誰かが私をじっと見てる。
「あなたは、誰?」
何も言わない。
死神みたいな人。
黒いコートに背の高い人。
「あなたは─────」