私の日常は、お昼に始まる。






私の両親は2年前に事故で他界した。






よって今は一人暮らし。







私には能力があった。





魔法とか、そんなんじゃなくて、







喧嘩ができるってこと。






私のパパは空手の先生だったから、私は必然的に空手を習っていた。






お昼ごはんをしっかり食べて、






遅刻だけど、学校へ行く支度をする。




『あっ、今日体育の授業あるから、運動着……』



確か、6時間目は体育だった。






思い出したから、忘れ物しなくてすんだ。






そしたら、待つ。






何をって?











ピンポーン──────────







インターホンがなったら、鞄を持って外へ出る。







窓の鍵とか確認してーっと















ガチャ──────────。





『おはよう!』




「ああ、おはよう」





挨拶を返してくれたこの男は、私の彼氏






六花 月翔 (りっか つきと) と言う。







無愛想だけど、優しい人。だと思う笑




彼は月桂組の若頭をしていて、この東側のお偉いさんだ。






なーんで私がお偉いさんである、月翔の彼女になれたかと言うと……







月翔の一目惚れだったらしい。






ほんとかなぁ?





でも、一応信じてる。





彼氏だもん。














あと、私は姫だけど、唯一の姫ではない。









もう1人は、副総長の妹の子。






茜ちゃんと言う、高校1年生だ。






姉妹みたいに仲良しの子!






















月翔のバイクに乗って学校に行くはずが、







あれ、?







いつもなら、学校へ行くのに、今日は道が違う。







この道は……







『月翔、アジト行くの?』







「あぁ、サボることになるけどいい?」








『あはは、今引き返しても間に合わないもん』








こんなことは初めてだから、違和感があったけど、
月翔のことだから、また一緒にいたいとかだろうなって、思ってた。









この後のことも知らずに。





















アジトに着いて、倉庫に入る。






ずっと違和感はあった。






今日はいつもより、月翔が暗かった。












入った瞬間感じる、






何十人もの痛いほどの憎悪のこもった視線。









背中に冷や汗が流れる。







なにっ、なんで私を睨むの、!?









睨んでる奴らの真ん中にいるやつの顔を探す。








1番強い憎悪のこもった目を向けるヤツ。
















目があった瞬間瞬間、思わず息を飲む。









だって……








ずっと、妹みたいに思ってたのに。




















いつもは笑顔なのに……











私を睨むそいつは、



























茜ちゃんだったから。