籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「雅人くん、おはよう」


雅人くんの顔を見て、さっきの渡り廊下から見えた光景のことを思い出した。


「あっ、そういえば雅人くん――」


『彼女できたんだね、おめでとう!』

そう言いたかったけど、わたしはぐっとこらえて口をつぐんだ。


『雅人なら祝われるよりも、そっとしておいてもらったほうが喜ぶと思うけど』


さっきのお兄ちゃんの言葉を思い出したからだ。


ここは知らないフリをして、陰ながら雅人くんのことを応援しよう。


わたしは自分に語りかけるように、うんうんと首を縦に振る。


「…どうかした?美鳥ちゃん」

「ううん!なんでもないの…!」


幸せそうな雅人くんのことを考えたら、勝手に顔がにやけてしまいそうになる。


「学校終わったら、アジトくる?」

「今日はやめておくよ。集会あるんでしょ?」