籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「ああ、覚えている」


玲から短い返事が返ってきた。


それを聞いて、少しでも知り合いがいるとわかって安心したような。

でも、その人が敵対する暴走族の副総長であることが確定して…悲しいような。


そんな複雑な感情がわたしの中で入り混じっていた。


「覚えてくださってたんですね。やさしい人だと思ったのに、…どうしてあなたみたいな人がRULERの副総長なんかに――」

「それを言いたいのは俺のほうだ。どうして、RULERにきたんだっ…」


玲は、わたしを睨みつけるようにしてその闇色の瞳で捉えると、ずんずんと歩み寄ってきた。


「…なっ、なに――…きゃっ!」


驚いて後ずさりしたわたしは、後ろにあったベッドに気づかずつまづいてしまう。

そして、背中からベッドの上に倒れ込んでしまった。