籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「ここが美鳥サンの部屋っす!」


そう言いながら、部屋のドアを開ける裕一くん。


「隣の部屋は、もう1人の妃候補の茉莉花(まりか)さんの部屋なので、もし男のボクに聞きづらいようなことかあれば、茉莉花さんを頼るといいと思いますよ!」


――茉莉花さん。

あの黒髪のロングヘアの女の子だ。


「美鳥サンは今日から不動月の生徒なので、とりあえず“それ”、着替えちゃってください」


裕一くんが“それ”と言って指さしたのは、わたしが今着ている氷川高校のセーラー服だ。


「ウチの制服はそこのクローゼットの中に入ってます。また迎えにきますから、それまでに着替えておいてくださ〜い!」


裕一くんはヒラヒラと手を振るとドアを閉めた。


1人で使用するには広すぎるくらいの20畳ほどの部屋。

家具も小物も必要なものはすべてそろえられている。