籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

そのときのことを思い出してか、身を縮めて震え上がる裕一くん。


「十座サンには指一本触れることすらできないって痛感させられましたね。だから、一発でも十座サンを殴ったとなったらマジすげーっす」

「でも…今も十座が総長ということは、だれも勝つことはできてないんだよね…?」

「そういうことになりますね。玲サンがRULERに加入してすぐに副総長のポストに着いたのも、頭の切れ以外に十座サンに一発浴びせたっていう実力を認められたからって言われてるらしいっすけど」


圧倒的な強さでチンピラたちを追っ払ってくれたというのに、その力をもってしても十座には勝てないっていうの…?


ここでは、だれも十座に逆らうことはできない。

RULERは、十座が創り上げた帝国だ。



そのあと、わたしは自分の部屋へと案内された。