籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「ただの噂っすけど、玲サンが十座サンの顔面を一発殴ったことがあるって話は聞いたことがあります」

「えっ…。十座ってRULERの総長なのに、同じ族の中でそんなことして大丈夫なの…!?」

「ウチ、実力主義なんすよ。強い者が上に立てる。だから、タイマン張って十座サンに勝てば、だれでも総長になることができるってわけです!」


年功序列や信頼度ではなく、強い者がすべてを手にすることができる。


…たしかに、あの十座が考えそうなことだ。


「でも、十座サンにタイマンで負けたら…そりゃまあ恐ろしい仕打ちが待ってますよね。だから、そんなことわかりきっててみんなしませんけど」

「それも覚悟で、あの人は十座に挑んだの…?」

「ていう噂っすけどね。ボクも1人や2人、十座サンとタイマン張ったやつ見たことありますけど、瞬殺でボッコボコでしたよ」