籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「ボクたちが喧嘩の戦闘員なら、玲サンは喧嘩を有利に進める軍師って感じっすかね?」


どうしてRULERがここまで勢力を拡大することができたのか、その謎が明らかになった。


いくら十座が強くたって権力があったって、それには限界がある。

だから、十座の陰に隠れてRULERの指揮を執っていたのは、あの副総長なのかもしれない。


「実際、玲サンが喧嘩に加わってるところは見たことがないっすね〜。まあ、副総長っすから強いんでしょうけど」


同じRULERのメンバーで幹部である裕一くんでも、黒髪の男の人のそんな姿は見たことがない。


――でも、わたしは知っている。

この目で目の当たりにしたから。


あの人は…強い。


「…あ!でも、そういえばっ」


なにかを思い出したようにつぶやいた裕一くん。