籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

と言って、自分の頭を指さす裕一くん。


「だから、他の族の情報を探ったり、RULERの資金を集める仕事を総長から任されてるんす!」


たしか、さっき十座も同じようなことを言っていた。


『あともう1人、RULERに欠かせない男がいる。…が、今は重要な仕事の真っ最中でここにはいない』


あのときは、なんの仕事だろうと思っていたけど――。


「もしかして、その仕事って…スパイってこと?」


わたしがおそるおそる尋ねると、裕一くんはにんまりと笑った。


「そうっす!スパイとして潜入して他の族の情報を探り、内側から潰すのが玲サンの仕事です」


RULERは喧嘩が強く、力自慢のメンバーばかりがそろえられていると思っていた。

しかし、力で真正面から撃破するのではなく、内部に潜伏できるメンバーもいたなんて。