籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

あの人のことについて、もっと知りたい。


「…あっ、えっと……」

「ボクっすか?裕一っすよ!気軽に『裕一』って呼んでくださいっ」

「それじゃあ…裕一くん。副総長の人のことなんだけど…」

「ああ、玲サンのことっすか?」


裕一くんは廊下を歩きながら、くるりとわたしのほうを振り返る。


「あの人も…RULERのメンバーなの?」

「もちろんっす!『副総長』っていう立派な肩書きがあるんですから、RULERの人間に決まってるじゃないっすか」

「そう…だよね」


わたしはあからさまに肩を落とした。


路地でわたしを助けてくれたヒーロー。

そのヒーローが、…まさか敵の副総長だったなんて。


「まあRULERの人間と言っても、玲サンは特別っすけど」

「…特別?」

「玲サン、ここがすっげー切れるんすよ」