籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「それについては、裕一に任せることにした」

「…裕一に!?しかし、裕一はまだ一度も世話役なんて――」

「だからだよ。新米とはいえ、こいつも立派なＲＵＬＥＲの幹部だ。そろそろ重要な仕事も与えてやらねぇとな」

「そうだったとしても、この女は――」

「そんなことよりも、今回の成果を聞かせろ。向こうで聞く」


玉座から立ち上がった十座は黒髪の男の人の肩に腕をまわすと、そのまま広間から出ていった。


黒髪の男の人は、ずっとわたしに視線を向けていた。

目を細めて睨んでいるような。


でも、見方を変えれば、まるで後ろ髪を引かれるような。

そんな悲しい目をしているようにも見えた。


黒髪の男の人が十座といっしょに消えていった扉を見つめていると、わたしのそばにだれかが立った。


「美〜鳥サンッ。そろそろ行きましょうか」