籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

十座にそう言われ、うれしそうにわたしにピースしてみせる銀髪の男の子。


RULERの幹部は、この銀髪の男の子と、わたしを車でここへ連れてきた人たち、あとはRISEのアジトを襲った緑髪の男だ。


「あともう1人、RULERに欠かせない男がいる。…が、今は重要な仕事の真っ最中でここにはいない」


そう言いながら、十座はもう1人の妃候補の髪をなでる。


そのとき、玉座の間の扉が開く音がした。

目を向けると、入ってきたのは1人の黒髪の男の人。


その人を見た瞬間、十座は表情を変える。


「おお!噂をしていたら、戻ってきたか」


待ってましたというように、十座は手をたたく。


「「おかえりなさいませ!」」


入ってきた黒髪の男の人はRULERの中では地位が高いのか、周りにいたメンバーは頭を下げて出迎える。