籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

RULERはこわい人ばかりだと思っていたから、こんな無邪気な人もいることに驚いた。


「美〜鳥サン!」

「…な、なんですかっ」


ぴょんっと跳ねてわたしのところへやってくるものだから、わたしはあからさまに警戒する。


「そんなに身構えなくても大丈夫ですって〜。ボク、美鳥さんの味方ですから♪」

「…味方?」

「そうです!妃候補には世話役が1人つきます。それがボクです!ここでの生活で困ったことやわからないことがあれば、なんでもボクを頼ってください♪」


ということは、『世話役』とは言っているけど、要は『見張り役』ということなのだろう。

わたしがここから逃げ出さないための。


だから、決して味方ではない。

だけど、憎めない笑顔にどうも調子が狂う。


「美鳥。裕一はそんなだが、騙くらかそうとしたって無駄だぞ。そいつも立派な幹部の1人だからな」