籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

――聞き間違いであってほしかった。

わたしが…妃候補だなんて。


覚悟してここへきたものの、こんな反抗的な女が選ばれるわけがないと(たか)をくくっていた。

それで、すぐにここから出られると思っていた。


なのに、…こんなことに。


十座の言葉は、わたしにとっては死刑宣告のようなものだった。


「わたしは…一体どうなるの?」

「なんだ?まさか、すぐに帰れるとでも思ってたのか?」


わたしの心の中を見透かしたかのような十座の言葉に、わたしは言い淀む。


「残念だったな。オレが妃候補に選んだ以上、お前はこのオレさまのものだ。お前が自由に出歩いていいのは、この学園を囲う塀の中のみ。オレの許可なく外へ出ることは許さない」

「…そんな」


わたしは絶句した。


…なんて自分勝手なルール。