籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「オレの名前は、(とどろき)十座。このRULERのトップに君臨する…王だ」


ニヤリとつり上がった口元から見える、尖った鋭い八重歯。

揺らめく炎のような赤い髪。

ダボついた黒のパーカーの上からでもわかるくらい、広い肩幅に厚い胸板の筋肉質な体。


その禍々しさ漂う姿に、わたしの体は縄で縛られたかのように一瞬にして硬直した。


目の前にいるこの男は、…人間ではない。

まるで、本物の獣のように思えた。


さらに、この場の空気をねじ伏せるような圧に、わたしは完全に萎縮してしまっていた。


獰猛な肉食動物に狩られるような…そんな感覚に陥る。


わたしはこの男からは逃げられない。

嫌でも脳内にインプットさせられる。


「RISEの姫、名前は?」

「…え、越前美鳥…です」


どうしたものか、十座を前にするとうまく声が出せない。