籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

ここに通う生徒たちの大半は、お金持ちのおぼっちゃまやお嬢様。

お兄ちゃんと2人で小さなアパートの一室で暮らしていたわたしのような人間には無縁の世界だ。


「こっちだ」


不動月学園の校舎を目の前にして圧倒されていたわたしに、RULERのメンバーが声をかける。


逃げるつもりなんてないというのに、わたしの周りは3人のメンバーで固められている。


校舎のそばを通りすぎ、広大な芝生が広がる庭を抜け、バラのイバラで囲われたトンネルを進んでいくと――。

そこには、立派な洋館が建っていた。


まるで、中世ヨーロッパが舞台の映画で出てきそうな建物。


「ここは…」

「RULER専用の特別寮。通称『覇者の(やかた)』」

「覇者の…館」


わたしはごくりとつばを呑む。


重厚感のある扉を開け、赤いカーペットが続く廊下を奥へ奥へと進んでいく。