籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「…交渉?」


わたしが緑髪の男を睨みつけていると、突然背中を押された。

その反動で、よろけた足が2、3歩前に出る。


わたしのすぐ目の前には、舌なめずりをしてわたしを見下ろす緑髪の男。


おそるおそる振り返ると、RISEのメンバーは後ろのほうに固まっている。

わたしの背中を押したのは、雅人くんだった。


「…雅人く――」

「RISEの姫は引き渡します。だから、これで見逃してください…。お願いします…」


硬いなにかで頭を殴られたかのように、その言葉は衝撃のあまり、一瞬わたしの意識を途絶えさせかけた。


「…ごめんね、美鳥ちゃん。おれたちもう…お荷物は背負いきれねぇよ」

「美鳥さん、潔くRULERへ行ってください…!」


わたしのことを…まるでいらないものを見るような目で。