籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「…美鳥。てめぇ…なに玲の味方してやがる」


その十座の死んだような目に、わたしは背筋が凍った。

睨みつけるわけでもなく、ただただわたしに冷たい視線を向ける。


「……えっ…、わ、わたしは…」

「てめぇも…オレを裏切るつもりか?」


十座はその瞳にわたしを捉えているけれど、目の焦点が合っていない。

まるで亡霊のようにわたしに歩み寄ってくる十座に腰が抜けて、わたしはその場に尻もちをついた。


「…そうか。お前もハナから玲のものだったってわけか」


十座は徐ろにズボンのポケットに手を入れる。

そして、取り出したものを見てわたしは息を呑んだ。


「お前を手懐けるのにも、もう飽きた。オレのものになる気がねぇなら…。死ね、美鳥」


そうつぶやく十座の右手には、…銀色に鈍く光るナイフが握られていた。