籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

最大の敵を倒すことだけを見据えている。


「…や、やべぇよ。十座さま、まさか負けるんじゃ…」

「んなわけねぇだろ!オレらの総長は最強だ!裏切り者なんかに負けるはずがねぇ!」


周りも、2人の攻防を固唾を呑んで見つめている。


玲の拳が、次々と十座の頬やみぞおちに入る。


さすがの十座でも、これはきっと効いているはず…!


だけど、勝負を決定づけるあと一発が入らない。


玲の右腕はガードに徹している。

パンチを繰り出すも、おそらく左に比べたら威力は半減。


あの右腕さえ…もとのように戻れば――。


そのとき、十座の拳が玲の頬へクリーンヒットした!

その威力に、玲が初めて膝をつく。


「…玲!!」


わたしは思わず叫んでしまった。

すると、それを聞いた十座がゆっくりと振り返る。