籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

わたしは、この瞬間をずっと待っていた。


玲が部屋から出ることを禁じられた以上、わたしが玲に会いに行くしか方法はなかった。

しかし、日中は裕一くんの監視の目があり、夜間は部屋に鍵をかけられる。


だから、わたしは心を殺した。

そうして、十座に尽くすことを決心した。


反抗する意思はない。

従順になり、妃となる運命を受け入れる。


そう十座に思い込ませるために。


だけど、十座がそう簡単にわたしを信用するはずなかった。


一向に夜間のドアの施錠が外されないことに焦りを感じつつも、毎日毎日十座に言いなりになった。


――そして、ようやく。

今日、この夜更けに部屋から外へ出ることが叶ったのだった。


もしかしたら、明日の式の準備で忙しく、単に裕一くんが鍵をかけ忘れたのかもしれない。