籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

『オレは、あんな卑劣な連中にだけは…美鳥を渡したくない!』

『…だから、頼む!美鳥だけは…!美鳥だけは…!!』


お兄ちゃんがわたしを大切に思ってくれているのはひしひしと伝わった。


でもあの言葉が、雅人くんを…、RISEを縛っている。


わたしがRULERに身を引き渡しさえすれば、きっとRISEが襲われることはない。

みんなが怯えて過ごすこともない。


もう…、これ以上わたしの大好きなRISEが壊れていくのを見たくない。


わたし1人が犠牲になることでRISEのみんなを救えるのなら、わたしは喜んでそうする。


お兄ちゃん、ごめんね。

自分勝手で、言うことを聞けない妹で。


わたしは覚悟を決めた。



数日後。


〈美鳥ちゃん、今後のことで話があるんだ。今からアジトにこれる?〉