籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

そう言って、十座はわたしにキスをしてそのまま押し倒す。

わたしの肌を滑らせる十座の手が、わたしのシャツのボタンにかかったとき、わたしはその手にそっと自分の手を添えた。


「…まだダメ。わたしのすべてがあなたのものになるのは、式が終わってからでしょ?」

「だがな…、もういいだろっ」

「男に二言があるって言うの?」


その言葉に、十座は口をつぐむ。

そして、仕方なくわたしから体を起こす。


「…わかってるよ。男に二言はねぇよ」

「それに、わたしたちの式はもうすぐでしょ?あと少しの辛抱だから。ね?」


――2月29日。

十座との式の日は、着実に近づいていた。


わたしが十座のものになる最後の日まで、わたしは十座に尽くし続けた。


都合のいいように連れ回され、ペットのように頭をなでられ、望まないキスをされたとしても――。