つまり、今から1年ほど前のこと――。


突然、総長がRISEを抜けた。

他の族との抗争に負け、総長がメンバーを捨てて1人で逃げ出したのだ。


そのせいで、RISEは分裂。

総長がいなくなったことで弱体化し、次から次へとメンバーも抜けていった。


崩壊寸前だったRISE。

それをなんとか立て直したのが、わたしのお兄ちゃんだった。


今いるメンバーは、逆境を乗り越えてRISEを再建したお兄ちゃんに憧れて入った人たちが集まっている。


以前のように『最強』と呼ばれなくてもいい。

RISEは新しい仲間とともに、固い絆で結ばれている。


もちろん氷川高校にはお兄ちゃんだけでなく、他のRISEのメンバーもいる。

だからわたしは友達がいなくたって、仲間がいるからちっとも寂しくなんかない。