籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「じゃあ、この指輪の刻印も…」

「そうだ。そのRは、玲の“R”だ」


これが、わたしと玲が付き合っていた証――。


わたしは玲への記憶がなくても、この指輪が大切な人からもらったものだとわかっていたんだ。


「十座の妃候補になってしまったかもしれねぇが、玲がそばにいるのなら必ずなんとかしてくれる。オレは、あいつを信じてるからな」

「うん…。そうだね、お兄ちゃん」


わたしは、お兄ちゃんに笑ってみせた。



お兄ちゃんは、玲ならわたしを十座から救い出してくれると信じている。


…でもね、お兄ちゃん。

玲は、できることはすべてしてくれた。


それでも、わたしの運命は十座によって捻じ曲げられた。


――結局、お兄ちゃんにはわたしが本命の妃になったことは話せなかった。

…話せるわけもなかった。