籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

しかし、わたしが失くしたのは事故の記憶だけではなかった。


わたしのことを一番に想い、命をかけて助け出そうとしてくれた――わたしの愛しい人。


そう。

玲の記憶も失くしていたのだった。


お兄ちゃんはそのとき、わたしに玲のことを話してくれようとしていたらしい。


しかし、それを玲が止めた。


「美鳥がこうなったのは、俺のせいだ。俺のことなんて忘れたほうが美鳥のためだ。俺の記憶がなくたって、美鳥が幸せになってくれればそれでいいから」


――そうお兄ちゃんに言って。


玲はというと、事故で右腕に大怪我を追った。

複雑骨折した腕にボルトを入れる手術をしたにも関わらず、玲は異例の速さで右腕を事故前の状態にまで治した。


玲がいなくなったRISEは弱体化したと噂されるようになり、これまでの抗争で敗れた暴走族たちが次々と攻めてくるように。