お兄ちゃんが認めてくれないこともわかってる。

それでも、さっきお兄ちゃんが本当のことを話してほしいと言っていたから、わたしは玲への想いを包み隠さず打ち明けた。


「だけど、玲のことを好きになっていくうちに、なんだか前にも似たような感情を抱いたことがあるような気がするの。でも、それがなになのかはわからなくて…」


お兄ちゃんは、わたしの話を静かに聞いている。


「それに、この指輪…!」


わたしは、タートルネックから指輪のついたネックレスを取り出した。

首から外すと、指輪をお兄ちゃんに見せつける。


「最近、ここにイニシャルが刻印されてるのに気づいたの。…『R to M』。お兄ちゃんは、この“R”がだれのことか知ってる…!?」


訴えかけるようにお兄ちゃんに迫ると、なぜかお兄ちゃんは視線をそらした。