籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

そんなわたしとお兄ちゃんだけの空間に、空気も読まずに裕一くんがドアを開けて顔を出した。


「今日は病室の外じゃなくて、病院のロビーで待ってて」

「えっ、でもそれだと――」

「今さらわたしが逃げるとでも思う…!?帰りは絶対ロビーを通るんだから、そこで待ってたって同じでしょ…!」

「…わかりましたよ。あまりにも遅かったら呼びにきますからね」


裕一くんは不満そうに口を尖らせながら、病室から出ていった。


「ごめんね、お兄ちゃん。付き添いがうるさくて」

「いや、それはいいんだが…」

「それに、全然お見舞いにもこれなくて…ごめん。本当は、毎日でもきたいんだけど…」

「美鳥だって忙しいんだから、そんなこと気にするな」


お兄ちゃんはわたしを責めることなく、やさしく笑ってくれる。

その笑顔を見たら、心が穏やかになる。