籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

お兄ちゃんはRISEの太陽のような存在で、そのお兄ちゃんを失ったメンバーたちは途方に暮れるしかなかった。


「…壮馬さんのこと、教えてくれてありがとう。美鳥ちゃんもつらいっていうのに」

「ううん…。わたしなんて、これくらいのことしかできないから」


そう言うと、じわりと目の奥が熱くなる。


「お兄ちゃんが危険な状況でも、わたしにできることなんてなかった。それに、もう一度RULERが攻めてきたとしても、わたしにはみんなみたいに力はない――」


と言いかけて、わたしはあることに気がついた。


そういえば、みんなの顔…。

昨日の襲撃に負わされたキズとはいえ、それにしては顔中アザだらけ。


雅人くんは、昨日会ったからわかる。

明らかに新しいキズが増えている。


みんなまるで、ついさっきつけられたかのような生傷が――。