籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

剥がれた壁紙に、壊れた棚。


きっと、RULERの襲撃で荒らされたせいだ。


そんな散らかったホール内に、雅人くんやRISEのメンバーの姿が見えた。

だけど、みんなうつむいていて普段のような活気はない。


「みんな…」


わたしが声をかけると、メンバーたちははっとして顔を向ける。


「…美鳥ちゃん!」

「どうしたんですか、美鳥さん!こんな時間に」

「うん…。お兄ちゃんのことで、みんなに話があって…」


わたしは、お兄ちゃんの容態をみんなに伝えた。

RULERに負わされたケガのせいで、予断を許さない状況であると。


それを聞いて、悔しそうに唇を噛みしめる人。

握り拳をつくり、その拳を怒りのままに壁にぶつける人。

意識が戻らないかもしれないことに、悲しみですすり泣く人。