籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「…入ってきて」


わたしが声をかけると、ドアノブがゆっくりとひねられた。


「具合…どうだ?」


そう言って入ってきたのは、不安げな表情を浮かべた玲。


わたしは玉座の間での宴の席で、「具合が悪い」と言って途中で逃げてきた。

だから、こうしてきてくれたのだろう。


「…うん!大丈夫っ」


わたしは指輪を服のポケットにしまい、玲には笑ってみせる。


「…ごめんね、わたし。勝手に抜けちゃって」

「仕方ないだろっ…。いきなり、十座にあんなことを言われたんだから」


“あんなこと”――。


『美鳥を本命の妃として迎えることをここに宣言する!』


今でも、あれは夢であってほしいと思ってしまう。


「まさか…、本命の妃にわたしがなるだなんて思わなかったな。十座も女を見る目がないよね」