籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

わたしはおぼつかない足取りで、病院の外で待機していたタクシーに乗り込む。


行き先は、家。

と思ったけど、お兄ちゃんの容態のことはRISEのみんなにも知らせたほうがいいよね。


わたしを乗せたタクシーは、RISEのアジトへと向かった。


RISEのアジトは、ずいぶん前に閉まったきり管理されずに放置されて廃れた元ゲームセンター。

人通りも少なく薄暗い通りを進んだ先にある。


元々は従業員専用の出入り口だと思われる裏の扉を開けて中へ入る。


通路を進んだ先に、ぼんやりと明かりが見えた。

みんながいつもたまっているホールだ。


中の様子をうかがうように、少しだけホールに顔を出したわたしは驚いた。

つい最近きたときとは打って変わって、物が散乱している。


ひっくり返ったテーブルに、脚の折れた椅子。