籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

しかし、十座に聞こえるはずもない。


そこへ、玲がわたしを背中へ隠すようにして立ち塞がった。


「十座さん、今日の美鳥は疲れています。部屋で休ませたほうがいいかと」


玲は、わたしの言葉を聞き逃すことなく拾い上げてくれた。

玲が間に入ってくれたことにほっとしたのも束の間――。


「オレさまの命令は絶対だ。こい、美鳥」


玲越しでも伝わるくらいの十座の重くのしかかる圧。

こんなオーラから…逃げ出すことなんてできない。


わたしが下手な行動を起こせば、玲にも火の粉が降りかかるかもしれない。


「美鳥、聞こえているな?オレのそばへこい」

「…は、はい……」


わたしは震える声で答える。

玲は驚いたようにわたしに目を向けるけれど、この場を収めるには十座に従うしかない。


「いい子だ、美鳥」