籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

そう思って、その場を去ろうとした――そのとき。


「おお、美鳥もいたのかっ」


心臓にズシンと響くような太い声。

一瞬にして、わたしの体が恐怖で縛られて動けなくなる。


玲が開けたわずかな扉の隙間――。

そこから、禍々しい十座の視線がわたしを一直線に捉えていた。


「じゅ……十…座」


わたしは、ごくりとつばを呑んで振り返る。


『お前も寂しかったんだな。それに気づいてやれなかったオレが悪かった。これからは、存分にかわいがってやるから安心しろ』

『…待っ――』


この前の出来事が、頭の中でフラッシュバックする。

あの気色悪いキスの感触も蘇る。


「美鳥、お前もこっちへこい。今日は宴だ」


十座が誘うようにわたしに手招きをする。


「…い、…いや」


無意識につぶやいたわたしの拒否の言葉。