籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

昨日と同じように、我を忘れて幸せに溺れてしまうような感覚――。

前にもあったような…。


「美鳥」


突然名前を呼ばれて、はっとする。


「な、なに?」

「さっきの夢の話だけど…」


玲は、なぜだか深刻そうな表情を浮かべる。


「気にしなくていいと思う。覚えてないのならそれでいいし、そもそも夢と現実が同じかどうかもわからないし」

「だけど、あのときの場面と同じだったの…!だからわたし、きっとRISEの総長のことも知ってるはずなのに――」

「でもRISEの総長は、RISEを捨てて逃げ出したやつだろ?」

「…えっ。どうして…玲がそれを知ってるの?」


わたしが尋ねると、玲はすぐに視線をそらした。


「いや…、風の噂で聞いたことがあるから」

「…そっか」

「とにかく、そんなやつのことなんて思い出す必要もねぇんだから」