籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

お兄ちゃんが副総長で、わたしが姫。


じゃあ、総長は――…だれ?


副総長のお兄ちゃんがわたしの左隣にいて、総長がわたしの右隣にいたはずなのに。


…どうしてわたし、『RISE』の総長のことは覚えてないの?


どうして――。



「み…り、…どり!」


夢と現実の狭間を漂うわたしの耳に、そんな声が聞こえる。


「…美鳥!…美鳥!」


わたしの名前を呼ぶ声だ。

この声は――。


「美鳥、しっかりしろ…!」


そこで、わたしはようやく目覚める。

ぼんやりしたまま徐ろに隣に目を向けると、こわばった表情の玲がわたしの名前を呼び続けていた。


「…玲?」

「大丈夫か、美鳥…!?…うなされてたぞ」

「えっ…、そんなの?」

「ああ。こわい夢でも見たか…?」


こわいというか――。