籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

玲は苦しそうに、でも愛おしそうにわたしを見つめる。


「このままだと…俺の理性がもたない。熱のときにあんなことをしてしまったから、余計にっ…」


――“あんなこと”。

玲に口移しでミネラルウォーターを飲ませた場面が脳裏に浮かぶ。


「だから、歯止めが効かなくなる前にと思って、あの日以来…お前から距離を置いていたっていうのに」


玲の看病で一晩中そばにいたあの日を境に、玲はまたわたしに対して冷たくなってしまったけど――。

本当は自分の気持ちを押さえるために、あえてわたしを突き放したのだった。


「わたしは…寂しかったよ。もっと玲のことを知りたい、もっと玲のそばにいたいと思ってる」

「…美鳥っ」


なにかと葛藤しているような玲が、切なそうに唇を噛む。


「妃候補のわたしは、十座のものなのかもしれない…。でも、心まで十座に奪われたわけじゃない…!」