籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

すると――。


「忘れられるわけがない」


見上げると、わたしを真剣なまなざしで見つめる玲。


「十座に汚されたままだと思ったら、…俺だってどうにかなりそうだ」


そう言って、玲がわたしの唇を親指でなぞる。


「お前が望むなら、俺が上書きしてやりたい」


玲の熱を帯びた瞳と色っぽい表情にドキドキせずにはいられない。

心臓がバクバクと鳴って、このままだとわたしもどうにかなってしまいそうだ。


玲がわたしにゆっくりと顔を近づける。

わたしたちの唇は、まるで引き寄せられるかのように導かれる。


――しかし。


「…ダメだっ」


直前で玲は顔を背けた。


「玲…?」


どうして、キス…してくれないの?


「やっぱり、わたしじゃ…いや?」

「…そうじゃない」

「じゃあ…」