創設わずか数ヶ月で、その名前は族たちの間に知れ渡った。


またたく間に、『最強』と呼ばれるようになったRISE。


ちなみにわたしも初期メンバーで、与えられたポジションは『(ひめ)』。

暴走族にとっては、守るべき宝のような存在だ。


といっても肩書きだけで、RISEの集会や他の暴走族との喧嘩に参加するわけでもなく、わたしはごく普通の生活を送っていた。


わたしが副総長の妹だからか、それとも一応『姫』だからかはわからないけど、メンバーはわたしのことを大切に扱ってくれた。

両親を早くに亡くしたわたしにとって、RISEはたくさんのお兄ちゃんたちがやさしくしてくれる、まるで家族のようなあたたかい場所だった。


しかし、そんな何気ない幸せは長くは続かなかった。


RISEが創設して3年後。