籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

無理のある言い訳だというのに、茉莉花さんは素知らぬ顔で平然として答える。


おそらく、これが妃候補No.1の特権。

これまで、こうしたことで何度も許されてきたのだろう。


「そうしたら手が滑って、“運悪く”美鳥さんにかかってしまっただけ。ごめんなさいね、美鳥さん」

「…違う!茉莉花さんは、わたしに故意に熱湯をかけようと――」

「勝手に発言するんじゃないわよっ!!No.2の分際で、出しゃばらないでくれる?」


茉莉花さんは噛みつくように話を遮ってくると、『お前は黙っておけ』と言わんばかりに恨みのこもった瞳でわたしを見下ろす。


立場は逆転。

これでは、悪気のない茉莉花さんをわたしと玲で責めているようだ。


十座は茉莉花さんの味方。

この場はなにも解決しない。


そう思っていると、徐ろに歩み寄ってきた十座がわたしの腕に目を向ける。