籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

だけどその表情とは反比例して、…目は笑っていない。


「…この顔のどこが魅力的だっていうの?ただのぱっとしない顔じゃない」


わたしのことを凝視しながら、ジリッと歩み寄る茉莉花さん。

この場から逃げなきゃいけないのに、わたしはすっかり萎縮してしまって足に力が入らない。


「この顔さえなければっ…。十座はあたしのものよ」


唱えるようにつぶやくと、茉莉花さんはポットの注ぎ口をわたしの頭の真上へと持ってくる。

動くことができないわたしは、ただただ恐怖に震えながらその光景を見届けるしかない。


「全部、あんたが悪いんだから」


わたしに言い放つと、茉莉花さんはゆっくりとポットを傾けた。


すると、――そのとき!


「やめろっ!!」


そんな声が聞こえたかと思ったら、茉莉花さんの手からポットが弾き飛ばされた。