籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

玲とは、あれから距離が空いたままで…。

玲の姿を見かけたら、自然と目で追っていた。


それなのに、十座はそれが自分に向けられているものだと思っている。

呆れるほどに自信過剰だ。


――わたしは、玲と話がしたいというのに。

そんな玲はというと、他の暴走族への潜入で外出している日が多くなった。


ようやく潜入から戻ってきて、お兄ちゃんのお見舞いで2人きりになったとしても、簡単な受け答えくらいしかしてくれない。


玲は、わたしのことを避けようと壁をつくっている。


あの夜以降玲の態度が一変して、そう思わざるをえなかった。


玲との時間がほしいのに、そこには必ず十座が入り込んでくる。

こんなの…いやだ。


心の底から十座を嫌っているわたしだけど、そんなわたしを違う意味でよく思っていない人物がいた。