籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

でも、それが逆に十座を喜ばせることになっていたなんて――。


『お前みたいな生意気な女はむしろ好物だ。なんとしてでも手なづけたくなるからな』


あの言葉どおり、十座は最近やたらとわたしのところへくるようになった。


前までは、四六時中茉莉花さんといっしょ。

わたしなんて、RULERのお飾り程度としてこの寮に置かれているくらいだったというのに。


それが近頃、明らかにわたしに対する態度が変わってきた。

この前、寮の中ですれ違ったときもそうだ。


「どうした、美鳥。そんなにオレを見つめて」

「…違う。べつにわたしはあなたのことは――」

「なにも恥ずかしがることもないだろ。女はみんな、オレさまに惚れることくらいわかってる」


自信満々に口角を上げる十座。


わたしは、十座の後ろを歩く玲に目が行っていただけ。