籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

茉莉花さんは愛おしそうに十座を見つめながらうなずくと、その腕に抱きついた。


そして、わたしにこれ見よがしに見せびらかしてくる。

まるで、『十座はあたしのもの』とわたしに対してアピールするように。


わたしはというと、見たくもないものを見せつけられ苦笑いを浮かべるしかない。


そうして、ようやく茉莉花さんとともに十座がわたしの部屋から出ていった。


なんだかどっと疲れて、わたしはソファにもたれかかる。


それにしても、茉莉花さん…すごかった。

全身から、十座のことが好きだというオーラがあふれ出している。


そんな茉莉花さんとは正反対で、わたしは十座のことを忌み嫌っている。

なにがあっても、絶対に十座に心を開くことはない。


その固い意志で、わたしはこれまで十座を拒んできた。