籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

「…なに言って――」

「気づいてないようだから、教えてやる。オレはな、お前みたいな生意気な女はむしろ好物だ。なんとしてでも手なづけたくなるからな」


十座は、わたしにギラギラとした視線を向けながら舌なめずりをする。


その視線が…気持ち悪い。


早くどこかへ行ってくれないだろうか。

わたしがそう思っていた、――そのとき。


「ちょっと、十座!そんなところでなにやってるのよ!」


金切り声が響き目を向けると、開けっ放しのわたしの部屋のドアの向こうから、怒ったように茉莉花さんが見つめていた。


「あたしという妃候補No.1がいるっていうのに、…No.2に目移りしたんじゃないでしょうね!?」


眉間にしわを寄せ、わたしの部屋へズカズカと入ってくる茉莉花さん。


「…なんだよ、そんなのオレの勝手だろ。とはいえ、オレの一番はお前に決まってんだろ」