籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

…まだドキドキしてる。

こんなにドキドキしているのは、玲の着替えを手伝ったからだけじゃない。


腕の傷痕を見て、玲の過去を少し垣間見たような…。


わたしの知らない玲がたくさんあった。

もっともっと、玲のことを知りたいと思ってしまった。


だれかを想ってこんなにドキドキするのは、初めて。


…いや。

なんだか、懐かしいような気もする。


どちらにしても、わたしのこの気持ちって――。



その日の夜。

もう少しで、時計の針が日付をまたごうとしているとき。


寝る前に、わたしは玲の部屋へ様子を見にいった。

ドアの下の隙間部分から中の光がもれていないから、玲は明かりを消して寝ているようだ。


小さなノックをして、ゆっくりとドアを開ける。

玲が何事もなく眠っているのを確認したら、わたしも部屋に戻って寝よう。